同人誌 メモ 覚え書き 

 「自分による」「自分のための」「自分が詠んだ」短歌集を作るというのが、いよいよ現実的に見えてきた。先日試し刷りのつもりで入稿と支払いを済ませたところだ。1ページ3首を20ページ、計60首だけだが、「作りたい作りたい」とばかり言ってきた自分にとっての一歩がやっと動いた。

 歌集を作るのは初めての経験だし、地元の文芸サークルでの同人誌では製本に一切携わらなかった。薄い本もとい同人誌(二次創作限定)なんて何年振りだろう。感覚を知るために…という目的で入稿した、たった60首の一冊だが、すでにわくわくしている。

 今回の話は歌集の話がメインでなく、薄い本について。の、メモ。覚え書きだ。

 基本的に薄い本のサイズはB5もしくはA5。特に自分のような字書きはA5のほうが馴染み深い。ちなみに歌集の試し刷りは文庫本サイズで入稿した。

 なぜ「基本的な」サイズがあるのか。当たり前だが、ページ数が増えれば増えるほど印刷代も比例して高くなっていく。たとえば単行本サイズ(B6ないし四六版)の100pの漫画を50部刷るとしたらそれだけ高くなるのは当然だ(カラーや表紙のオプションなどは省くとして) 
 見栄えや読み応えを優先させた結果、その分製本代が膨らみすぎて発刊のハードルが高くなるようでは、なかなか同人界は活発にならない。ページ数が少なくとも、ある程度見栄えがするようにというのを考えると、結果的にB5やA5になりがちになる。そのことを初めて知ったときなるほど合理的だと思った。そのサイズが手に取りやすいことや、一般的な同人誌のサイズというのがあることで管理しやすい(並べやすい)などほかにも理由はある。

 自分が同人誌を「頒布する側」になって久しいが、ここ数年、文庫本(A6)サイズ・新書版サイズ(105m×173㎜)を扱う印刷所がどっと増えた。ような気がする。どうだろう?ごめん分かんない。どうかな。

 これは字書きにとって大変よろこばしいことで、なぜかというと、多くの印刷所ではオリジナルのサイズ設定にすると料金が別途発生することが多いからだ。しかし規格内のサイズとしてすでにあればその心配はない。字書きにとって親切になったと痛感している。

 先日やっと短歌集の製本に手を出せたのは、過去のデータとメモが出てきたから。えらい、えらいぞ、過去の僕。よくやった。お前はえらい。

 そうやって過去の自分に助けられたので、いつか未来の自分を助けるために、現在の自分が製本についての覚書しておこうと思う。

 個人的な所見でしかないので参考にはしないでほしい。好みや流行などいろいろあるので。

・フォントサイズは9.5ptが一番可読性が高い気がする
10.5ptまでいくと読みづらい。せいぜい10ptが限界かな…

・オフセットセットよりオンデマンド
そもそもオフセット経験してない…どんな感じかな。でも多分、僕の場合オンデマンドが向いていると思うというか、オフセットであるメリットがないというか。以下がメリットに焦点を当てた特徴。

オンデマンド:
小部数向き低コスト・入稿からできあがりまでが早い
オフセット:
部数が多いほど割安・高品質、高精細で仕上がりがきれい・オプションが豊富

 僕はスぺ数やジャンルの規模に限らず、多くてもせいぜい30部くらいしか刷らないし、写真集やイラスト集ではないので精細さもいらない。何より本文がモノクロのテキストだし。オンデマンドの良いところは一冊単価が低いところ。オフセットもロット数があればオンデマンド以上に安くなるが、先述したように僕は在庫を抱えたりとらなどに委託したりするにが嫌なので少部数で縁のない話だ。おつかれ~。

・文庫本サイズはA6(148mm×105mm)
 新書版サイズはB列本版(103mm×182mm)

キンマリ70kgがベスト。表紙は上質紙でいいと思うっていうかマット加工くらいしかしたことない。自分のためのだからって言い張ってこだわったことない。知らん。今後遊び紙とか箔入れとかのオプション加工触れないまま死ぬと思う。

・ほかの字書きさんの作品を読むなら内容とデザインによるとして、書くときはA4の2段落での設定でのほうが書きやすい。
よくうっかりやっちゃってどう戻すか分からなくなるやつの直し方:表紙→印刷レイアウト→ズーム1ページ

イベント(送料がかかるので委託は別として)では25p前後で300円の頒布がちょうどいいかも。

・一番分かりやすいテンプレサイト
https://www.eikou.com/down/

※4/1訂正※

<B5 二段組>

約35,000字で30p

約29,000字で25p

約20,000字で20p

<A5 二段組>

約24,000字で30p

約20,000字で25p

約17,000字で20p

<文庫 一段組>

約4,000字で25p

<新書 一段組>

約4,400字で25p

それぞれ25pが分量と見栄えがちょうど良いかなと思う。文庫・新書の25pは少なさすぎるので、加筆なし!でもどうしても本にしたい!というならそれぞれを掌編扱いにしてほかの作品と合わせるしかなさそう。僕だったらpixivに投げるかな。

 

・入稿するときのpdfファイル名は文字化け防止のためにローマ字の名前をつける。
(titleとかhonbunとか)。タイトルと本文のファイルは別。5GBまでに圧縮できなかったら1pずつのファイルで送信(honbun-1とか)←絶対避けたい。

・.フッターの数字は5mmを切らない。

<課題>
・ノンブルなしでやってみたいけど何?
・クリスタちゃんと使いたいけど何?

・好きであればあるほど書けなく/描けなくなるの何?

・話逸れまくったけど結局歌集の話に戻すと、
1.フォントサイズなんぼ?
2.連作じゃないのを連作に見せるにはどうしたらいいんですかね

3.綴じ代の数字のベストがずっと分からない
4.1pの1首だけ改行することになっちゃうときページ全体のフォントちいさくするん?その1首だけちいさくするん?アハ体験みたいになりそう。


ついに「いかがでしたか?」記事が回ってきて発狂しそうになりながら書きました。足元見た値段なんだよなバーカバーカ
「今後も目が離せませんね!」「これからも調査を続けていきます!」って言ってるから誉めてほしいですバーカ

あなたしか知らない

※許可を得て再掲です

去年の秋、友人の叔父であるEさんが亡くなった。自殺だった。

何がEさんを追い詰めたのだろう。友人は、Eさんがよく体調を崩して入院することがあったということだけしか知らないと言う。もしかしたら何かしら精神的な疾患を罹患していたかもしれないが、そんなことは憶測の域を超えない。

僕は飛び降りたあの日「やっと救われる!もう苦しまずにいられる!」と、死への恐怖や躊躇いはなく、清々しさと安堵感があった。これでもうすべてを放り投げることをゆるされたと。お酒も薬も飲まなかったのは"純粋な死"でありたかったからだ。僕はそのとき死というエネルギーを感じていた。

Eさん、あなたは死のエネルギーを受け止めることはできましたか?あなたは最期に何を思いましたか?

のこされた人間たちはそれぞれの後悔とかなしみを抱えながら、それぞれの信じるものに掴まって、それぞれになんとか毎日の生活へ戻っていった。友人もまたそうであった。ときどき息の仕方を忘れてしまいそうになりながら。

Eさんの死によって、友人は自身の死生観の変化を自覚した。希死念慮に振り回されながら、彼はなんとか足場を保っている。空虚感に苛まれても、自身の死について考える時間が増えても、ときに自分を傷付けることがあっても。

友人はただひとつ後悔している。「当然に明日はやってくる」と思っていたことを。Eさんは自分の意思で明日を捨てた。それを何人たりとも否定してはいけない。いや、することはできない。

今ではもう、とばした紙飛行機の行く先は知らない。拾い上げることもできない。

Eさんへ。あなたにどうか紙飛行機が届きますように。そしてあなたは、あなた自身の選択が間違っていたとは決して思いませんように。すり減っていく日々といのち。あなたにとってのしあわせが、しずかに、しずかに訪れますように。

3度目の浮気7度目くらいの入院 

 入院して6日目。日付が変わったから1週間か。

 まず、なぜ入院しているのか話そう。
 15分前に測った体温は40℃を超えていた。
 入院の理由は発熱。先述したように40℃を超えた。
 もともと病院を訪れたのはそれが訳じゃない。自分は後遺症で足が悪く、そのせいで足の裏(特に左足)に褥瘡ができやすい。生きている神経がまばらなせいで、痛覚のあるところとそうじゃないところがわからないのだ。
 その治療のため来たのは整形外科。かかりつけだ。二重扉の二枚目の手前にある体温計。飲食店などにもある、鏡写しになっている使用のもの。顔を写すとマスク越しでも体温が測定できる。

 

35.9℃。

 

 季節にもよるが、自分の平熱はおおよそ35.6℃~36.5℃。一般的だ。
 
 受付で「35.9℃でした」と体温を申告し、診察券もろもろが入ったカードファイルのようなものをそのまま渡し、待合室で名前を呼ばれるのを待った。
 「~~さん」
 そこそこ混んでいたにも関わらず割とすぐに看護師に名前を呼ばれ、毎度のことなので必要のない診察室をスキップし処置室へ向かう。
 向かう途中のこと。
 足がもつれて廊下にある男性用トイレのドアに頭から突っ込んでいった。あまりにもその突っ込みかたと音が派手だったので、十分衝突と言える。
 自分の名前を呼んだ看護師(だと思う)が駆けつけてきた。
 「立てます。歩けます歩けます」
 いや、歩けてなかった。やはり足がもつれる。
 結局その看護師の華奢な肩を借りて、処置室のベッドに横ばいになった。
 すると受付で見た事務員の女性に「ちょっとごめんね」とひと声かけられたあと前髪をめくられ、額で体温を測った。
 言うて36℃前後だろう。
 「あら…」と事務員といっしょに体温計を覗き込んだ看護師がつぶやいたので、見せてくださいと言おうとしたが、その前に見せつけられた。
 「あら…」自分も鸚鵡返しでついつぶやいた。
 

38.7℃。

 
 どうにもならないまま、処置を施す主治医がやってきたうつ伏せになった自分の足の裏を見て、上半身をくねらせてその様子を眺めた。
 「ああきれいになったねえ」「いいね、いいね」「肉が盛り上がってきて、あとはいらない部分を切り取るだけかな」
  いつもより1/4ほどしかかからない処置。
 しかしそれが終わると、さきほど体温を測った事務員が今度は家庭にある一般的な体温計を持ってきた。「ごめんね、脇にはさんでくれるかな」
 

 40.2℃
 

 体温計は事務員から看護師へ、看護師から主治医へとバトンパスされた
 「入院!」
 主治医はめずらしく声を荒げた。
 このご時世なのだだ。真っ先にコロナを疑われた。
 だが3回に渡るPCR検査の結果、すべて陰性。そばにいただれしもが胸をなでおろした。
 それでも医師の「入院」という決断は覆らない。まあ40℃あればね。
 「あのあの、あの…どれだけの(期間の)入院とかなんてわかんないの承知なんですけど、入院費っておいくらですか?たしかいつかの入院はひと月半で2万円だっらような」
 「んん、まあいつまでかわからないし。でも食費だけだよ」
 「たしかに」
 それから血液検査と尿検査とをした。一応インフルも疑われたが流行るような時期ではないことと、発熱以外の風邪様の症状が出なかったため、培養?にだしたものの、あまり疑われていない。
 そうこうしているうちに連絡を受けた母が着替えやタオルを初めとしたあらゆるものを持ってきてくれた、
 こちらからの要望じゃスマホの充電器、pc・本棚から直感で選んだ歌集3冊(コンビニに生まれ変わってしまっても・僕は短歌で彼女を口説く・春戦争。春原さんのリコーダー・まばたきで消えていくの5冊だった。ご丁寧に付箋付き付きだった)そしてペン、大学ノートだった。

 その晩、それはそれは地獄だった。


40.5℃
 

 そして左足の疼痛。ここ半年~1年近く、せいぜい軽い鎮痛剤の服用で済んでいたのに。
 点滴が右腕に四ヵ所にあるためまともに動かせない体。

 さてこれが初日。いったい原因は?

ブロマンスに狂って

 ボーイズラブ、いわゆるBLが好きだ。10歳になるかならないかどうかのころだっただろうか。割と早い時期からそういうものがすきだった。腐女子という言葉を知ることになるのはもっと先になるが。

 しかしブロマンスも好きだ。にしても、BLに比べてブロマンスという言葉はあまり聞かない気がする。
 そのブロマンスについて話したい。それからその沼の深さと怖さについて。
 まず、BLと何がちがうかということを知ってほしい。ではそれぞれをWikipediaで検索しよう。
 

ボーイズラブ - Wikipedia

(英語:boys' love)またはBL(ビーエル)は、日本における男性(少年)同士の同性愛(ゲイ)を題材とした小説や漫画などのジャンルのことで、1990年代中盤から後半に使用されるようになった用語である。

 

ブロマンス - Wikipedia
ブロマンス(英語: Bromance)とは、2人もしくはそれ以上の人数の男性同士の近しい関係のこと。性的な関わりはないものの、ホモソーシャルな親密さの一種とされる。

 

 ボーイズラブ(以下BL)に関して記載されている部分のリンクを読むと、BLの特徴にはこうある。

 

ゲイの男性向けの作品とはおおむね区別されている。それほど確固とした概念ではなく、ボーイズラブとそれ以外のジャンルを明確に分けることは困難である。

 

それに対して、ブロマンスの特徴の冒頭にはこうある。

 

ブロマンス(英語: Bromance)とは、2人もしくはそれ以上の人数の男性同士の近しい関係のこと。性的な関わりはないものの、ホモソーシャルな親密さの一種とされる。 

 

 ふたつのちがいを知り、その魅力をすこしでも伝えたいというのがこの記事の目的だが、こういったもの、無粋な言い方をすれば同性愛を呼吸をするがごとく触れていないとなかなか分からないと思う。どちらも端的に言ってしまえば男同士の感情がぶつかり、ときにすれ違い、また、それすらなかったことに『意図的に』してしまうからだ(思い出として終わらせる、勘違いと言い聞かせて物語を終わらせる。ただしそこから物語が始まる場合もあるし、その際ときに女性が介入する場合ももちろんある。一概に言えない)。

 しかしブロマンスの恐ろしいところはそこにある。
  ネットなどではブロマンスがまるで「BLの手前」「ライトなBL」かのようにあつかわれる。とんでもない。罠だ。気を付けろ。
 BLは恋愛や劣情などと表現できる。対して、ブロマンスはそういった既存の言葉で表現できない。Wikipediaには、そう、――性的な関わりはない――とあるが、厳密に言えば性的な関わりに「踏み込めない」のだ。

 なぜなら彼らはおおよそが自分そして他者の(主に特定の相手への)気持ちに気付いていないからだ。どちらかがその気持ち(この時点ではブロマンスと呼べる)に気付き、何かしらのかたちで一歩踏み込んだときそれはBLに変わる。
 汚かろうとなんだろうとお金はお金とは言うが、愛に関してはまた別の話。同じ「好き」でも「好き」の種類に違いはあるし重さもまた変わってくる。

 身も蓋もない、チャート未満のカテゴライズをすれば、(無理やり既存の単語を当てはめるとしたら)愛情ゆえの友情(場合によっては友情ゆえの愛情にもなり得る)や劣情・性欲がそこにあればBLであり、なければブロマンス。

銀河鉄道の夜のジョバンニとカムパネルラが分かりやすいだろう。
ジョジョの奇妙な冒険(の、ここで挙げるなら1部)」ジョナサン・ジョースターに愛する女性こそいても、運命の宿敵・ディオという存在がいる。
坂道のアポロンでは薫は律子に恋心を抱く一方で律子が想いを寄せるのは千太郎だが、性格から何まで正反対の彼らは彼らはピアノやパーカッション、サックスが活躍するジャズが好きで、音楽を通して仲が深まっていく。
「東京卍リベンジャーズ」の主人公武道とヒロイン日向がついに結婚……というところまできたというのに、恋人でもなく上司や先輩、恩人ともまたちがうだれか、いや何ならすべてに当てはまるのかもしれない佐野を救うため心中。

 わたしはそんな展開がだいっっっっっすきだ。
 どうしたらいい…?どうもしないでほしい…

 さて、ブロマンスを「BLの手前」「ライトなBL」とあつかうことに抵抗を覚えるという話だが、それについてこまかく話がしたい。まずその考えは誤解だ。BLは恋愛や劣情という言葉で表すことができるという話は冒頭ですでに語った。ブロマンスの厄介であり、その反面で魅力的なところ…それは「好きとか嫌いとか愛だ恋だ、抱きたいだの抱かれたいだの」ではなく、監禁でもして独占したいくせに他人に見せびらかして自慢したい。自分のため、もしくは自分の一挙一動に笑ってほしいけど泣かせたい。しあわせにするのは自分がいいし、ふしあわせにするのも自分じゃなければ許せない。人生を共にしてくれないなら死ね、もしくはお前の手で殺してくれ。そんな拗れた感情を抱く男が結論を出すまでの過程を見届ける」ことに悦を感じる。この拗れた感情というのを言い換えたのがいわゆる「クソデカ感情」。こうすれば伝わりやすいだろうか?

 どこを見たら「BLの手前」と言える?何が「ライトなBL」? 

 そう呼ぶ・感じる人たちに説明できる語彙力やプレゼン力、表現力に説得力はないけれどわたし自身は今までそうであったようにこれからも好きであり続ける。苦しい男と苦しい男…どこか影のある抱えながら飄々と生きている男と無骨で不器用にしか生きられない損をしがちな男…過去に囚われる男とその男に現在を生きてともに未来を見てほしいと寄り添う男…

 多分何年後も何十年後も、一生今まで通りそんな男たちに情緒をめちゃくちゃにされながら手を叩いて喜んでいることだろう。ああ楽しい。